「いいものを創れれば売れる!」
日本ではそう言われていた時代もありました。
いいものを創ってさえいれば、誰かが見つけて買ってくれる。
そして口コミで自然に広がっていく——
私もそう思っていました。
でもそれは、今の時代では幻想でした。
情報、商品、サービスが溢れている今、
いいもの、いい商品・サービスを創ることは大前提として
必要なお客様の元に届けるためには
もうひとつ学んで、実践しなければいけないことがあります。
それが
『webマーケティング』です。
最近では聞いたことがある方もいらっしゃるのではないかと思いますが、
なんだか難しそうで、何をやるのかよくわからないですよね。
今回この記事では
『webマーケティング』について、
今日からでも生活に『webマーケティング』思考を取り入れられるように
初心者にもわかりやすく、解説していきたいと思います。
webマーケティングとは?

そもそもマーケティングとは?
webマーケティングを説明する前に、「マーケティング」について説明します。
「売る」ための準備ではなく、「選ばれる」ための仕組みづくりのことです。
たとえば、あなたが手作りのお菓子を作って誰かに届けようと考えるとします。
- どんな人が喜んでくれるかな?(ターゲット)
- どんな味・見た目なら買いたいと思うかな?(商品づくり)
- どこで売ったら見つけてもらいやすいかな?(販売場所)
- どうやって知ってもらおうかな?(宣伝)
こうやって
「お客さんに喜んでもらうための準備を考えること全て」が、実はマーケティングなんです。
つまり「売る」より前に、
「どうすれば喜んでもらえるお客様に出会い、商品・サービスを届けられるか」を
考える全ての活動です。
言い換えると、『お客様が笑顔になる準備』のすべてがマーケティングなのです。
マーケティングの祖父と呼ばれたピータードラッカーさんは
「マーケティングの究極の目標は売り込みを不要にすること」
だとおっしゃっています。
つまり、マーケティングがうまくいけば、
無理な営業がなくなり、
お客様の方から
「買いたい」
といって買ってもらえる理想の状態ができるということです。
2.webマーケティングとは?
webマーケティングはweb媒体を使ってマーケティングを行うことを言います。
では今どうしてwebマーケティングが必要なのでしょうか?
①生活がweb上に移動?!
昔はお店の前に立て看板を出したり、
チラシを配って知ってもらっていました。
でも今は、多くの人がスマホでお店や商品を探す時代です。
私が働いているカフェでもチラシも配っておりますし、店の前に看板もたてています。
けれどもご来店されるお客様の7割ほどの方は
「インターネットで見つけた」とおっしゃります。
今は、通りを歩いてお店を探す代わりに、
インターネットの中を歩くようにしてお店を見つける時代になりました。
だから、今のお店には“ネット上の看板”が必要です。
②欲しい人だけに届けられる
店舗でのお買い物を想像してみてください。
試食販売員の方がミートボールを試食販売しています。
子供達はニコニコと自分からもらいに行って、
お母さんに
「買ってー」と
ねだったりしています。
でも私はというと…
お肉が苦手なんです。
試食販売の方は私の嗜好を知らずに
笑顔で「どうぞ」と勧めてくれます。
そうするとなんだか断ることがとても悪いような気持ちになります。
Web上だと、ミートボールが欲しい人が
自分から「ミートボール」と検索してくれます。
つまり、Webの世界では
“興味のある人”にだけ情報が届くんです。
わざわざ誰かに
「これどうですか?」と声をかけなくても、
「それが欲しい!」と思っている人の目に自然に触れる仕組み。
チラシや試食販売のように、
興味のない人にまで届けてしまうことがないので、
売る側も買う側も気持ちよくつながることができます。
無理に売り込まなくても、
「必要としている人」にちゃんと届く仕組みを
webマーケティングを知っていると創ることができます。
③時間や場所を超えて情報を届けられる
お店を知ってもらうために昔はチラシを配ったり、看板を立てたり、
そのお店が何屋さんか分かる工夫をしたりしていたと思います。
これらの方法だとお店の周辺の方の目にしかとまらないことが弱点でした。
でも今は真夜中や定休日といった時間的なものや、
地域に限定されることなく、
HPを工夫したり、
各種SNSで発信していれば、
web上で見つけてもらうことができます。
こんなことがありました。
初めての若い女性のお客様がご来店されたことがありました。
そのお客様はHPで私の働いているカフェを見つけて、
世界観を気に入って興味を持って、
東京からわざわざ飛行機に乗って、
ご来店くださりました。
また、海外の方向けに
カフェをおすすめするサイトに登録してあったため、
外国のお客様で日本旅行中に
ご利用いただける方も増えました。
webでの宣伝は時間や場所を選ばないと感じる体験です。
④費用をおさえて宣伝できる
以前は、チラシ印刷や新聞の折り込み広告、フリーペーパーの掲載など、
印刷費用や掲載費用などのコストがかかっていました。
そして、在庫をかかえると場所もとりますし、
内容の変更も印刷した紙面がなくなるまでは
もったいなくてなかなか踏み込めないでいました。
しかし、Webなら違います。
HPやSNSは自分で工夫すればコストは抑えられますし、
一度作れば、何度でも気軽に修正して、更新ができます。
そして、投稿を見た人が気に入ってくれれば、
その投稿はシェアしてもらえて、
お客様の間でさらなる宣伝効果が得られます。
お金をかけなくても、想いと工夫で気軽に発信して必要なお客様に届けることができます。
⑤お客様のリアルな反応が見えやすい
チラシを配っていた頃は、
「何人の方が見てくれたのか」
「どんな人が興味を持ってくれたのか」
まではわかりませんでした。
昔マンションで住んでいた頃、
チラシはポストの隣にある大きなゴミ箱に
「ポイっ」と捨てられていました。
自分たちがたくさんの人に知ってもらえたらという
想いを込めて配ったチラシも
あんなふうに捨てられていると思うと
悲しくなっちゃいます。
けれども、SNSの投稿なら、どの写真に「いいね」が多かったのか、
どんな内容にコメントがついたのかが一目でわかります。
ホームページでも
「どのページが一番見られているか」
「どんな言葉で検索されているか」などの
データを確認することもできます。
SNSでは、ただ一方的に情報発信するためのものではありません。
お客様と「つながりながら一緒に成長していく仕組み」でもあるのです。
Webマーケティングの具体的方法
webマーケティングの主な流れは下の図のようになります。
① 認知(知ってもらう)
まずはお店やサービスの存在を知ってもらう段階です。
ここでは、SNSや広告を活用します。
- SNS発信(Instagram、YouTube、TikTok、Facebookなど)
料理や商品の写真、動画、ストーリーなどで“世界観”を伝えます。 - Web広告(SNS広告・YouTube広告・Google広告など)
ターゲットに合わせて広告を出し、「こんなお店があるんだ!」と知ってもらうきっかけを作ります。
② 興味・関心(気になる!と思ってもらう)
知ってもらった後は、「もっと知りたい」と感じてもらう段階です。
- LINE公式アカウントやメルマガで、お得情報や新メニューをお知らせします。
- **LP(ランディングページ)**では、お店の想いやこだわりを丁寧に紹介します。
③ 比較・検討(本当に自分に合うか考える)
お客様が「ここにしようかな」と考えている段階です。
- Webセミナー・オンライン説明会
講座やサービスの場合は、Zoomなどを使って直接話すことで信頼が高まります。 - レビュー・お客様の声をホームページやSNSに載せることで、
「他の人も満足しているんだ」と安心感を与えます。
④ 行動・購入(実際に利用する)
いよいよ行動に移す段階です。
- 予約フォームやネットショップを用意して、スムーズに申し込みできるようにします。
- LINEやDMでの問い合わせも、返信が早いと安心感につながります。
⑤ 継続(ファンになってもらう)
購入後もお客様とつながり続けることが大切です。
- 定期的なLINE配信やメルマガで、新商品・季節限定メニューをお知らせ
- リピーター限定クーポンやキャンペーンの実施
⑥ 共有・紹介(口コミ・拡散)
お客様が「このお店いいよ」と自然に紹介してくれる段階です。
- SNSでの写真投稿、レビュー、ハッシュタグ企画などが効果的です。
- 紹介してくださった方への特典を用意するのもおすすめです。
今日からできるWebマーケティング
~暮らしの中で「伝わる工夫」を磨く10の小さな実践~
① スーパーで『トレンド』を見つけてみよう
・商品棚の商品の中で一番減っている商品は何でどんな人がよく手にしているか?
→「売れている商品がどんな人たちに手に取られやすいのか」がわかり、どうしてその商品が売れているのかを考える機会になります。
・どんなパッケージが目に止まったかを見てみましょう。→「どんな色や言葉が人の目を引くのか」を学べます。
・レジ前の商品をチェック
→元々買う気はなくても“ついで買い”してしまうものの傾向がわかります。
・スーパーのPOPを観察しよう
→「〇〇限定!」など思わず手に取りたくなる工夫がされています。
② 本屋さんで言葉と流行りをチェック
・新書やランキングコーナー、ベストセラー棚を眺める
→今どんなテーマや言葉がトレンドになっているかが分かります。
・表紙やタイトルで、興味が沸いたものをピックアップしてみましょう。
→ キャッチコピーや投稿タイトルづくりのヒントになります。
③ 家族や友人にリサーチ
家族や友人の買い物に「商品やサービスを選んだ理由」を聞いてみる。
→ 人の購買心理を自然に学べます。
④ 自分が気になった商品やサービスの口コミサイトやレビューを読む
→ お客様の貴重な“生の声”を知ることができます。
まとめ
いかがでしたか?
マーケティングって意外と身近なものだと感じませんか?
それもそのはず、私たちはずーっと「消費者」として
マーケティングに関わっているんです。
ただ、自分が欲しいと思って買った商品が
届けたい誰かがいて仕組みを作っているということを想像もしなかっただけの話です。
これからは届ける側の頭の中を学んでいきたいと思います。
まずは自分の生活の中で今までと違う発見をしていきたいと思います。
皆さんもマーケティング思考で街に出てみませんか?
最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございました。
